石垣の塩(沖縄県)

塩はワッフルにとっては、甘さを引き立たせる役割と小麦粉のグルテンを引き出すというふたつの重要な役割があります。使用量は少ないですが、塩がなければぼやけた味になってしまいます。

実は、日本の塩として販売されていても、その塩はもともとメキシコやオーストラリアから輸入された天日塩を使用している場合が多々あります。その理由は大きくわけて2つあります。

日本は降水量が多く、一部の地域を除いて海水の濃度を上げるための塩田が機能しにくいので塩の生産には向かないこと。
また、天日で乾かす代わりに海水を煮詰めるためにかかる燃料のほうが高くつくからです。

このように大量に塩を生産することができない日本では、必要な塩の大部分を輸入に頼っているのです。

一方、大量生産はできなくても、こだわりをもった人たちがまさに文字通り手塩にかけた昔ながらの製法で、日本の海から生み出される塩がいくつか存在します。

そのひとつが、沖縄県石垣島の世界有数の珊瑚礁を抱く美しい海を持つこの島で作られた100%海水の塩「石垣の塩」です。

ゆたかな自然が残る名蔵湾から採取した海水を、釜で丸3日間煮詰め、天日で乾かし、塩の結晶を砕き、海草などの不純物を取り除くなど、そのほとんどの工程が40人ほどの石垣島の島人(シマンチュ)の手により、手作業で行なわれています。

緑豊かな山を伝いあふれる滋養あふれる川の水は、河口付近のマングローブの林を抜けて、エメラルドブルーの海へと流れ込む。
透明度の高い海中では、さまざまな色を持って広がる珊瑚礁とたくさんの美しい宝石をばら撒いたような魚たちの群れ。

そんな生命力にあふれる場所の海水を使い、しかも、それを作る人たちがこだわりと真心をもってその豊かな自然のちからをそのまま塩として取り出していることを想像したとき、この塩をぜひ使いたいと思いました。

塩はまるで粉雪のように白くさらさらで美しく、なめてみるとミネラルの豊富さからくるまろやかさと甘みを、存分に感じることができます。

 

参考文献・引用

株式会社石垣の塩(石垣の塩)

写真は株式会社石垣の塩さまからのご提供および許可を頂き掲載しております。

 

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